マイナス温度でも凍らない液体で食品を急速冷凍するブライン冷凍機。ここでは、ブライン冷凍機のメリット・デメリットと、主なメーカーをご紹介します。
一番のメリットは、凍結スピード。空気に比べて熱伝導率が20倍大きい液体の特性を利用して、非常にスピーディーに冷凍することができます。
緩慢凍結では、食材の細胞内で氷の結晶が大きくなり細胞を破壊して、旨味成分が流出してしまいますが、急激に温度を下げることで細胞破壊を防ぎ、食品の品質を損なわずに凍結することが可能です。エアブラスト凍結では冷却に時間がかかってしまうブリやカツオなど厚みのある魚介、牛モモ肉などの畜産、痛みが早いカキなどの凍結に向いています。
冷凍用の袋に食材を入れてパウチをして冷たい液体に漬けるだけの簡単作業で、誰でも扱える点が魅力。霜が発生しないので、霜取り運転で作業を中断されることなく連続して使うことができます。
食品に真空包装をする必要があるため、ケーキや和菓子など形が崩れやすい食品への使用は向いていません。また、食品ごとに包装や凍結後にアルコールを拭き取る作業が必要で、手間とコストがかかります。
ブライン液一つとっても、塩水やエタノール、塩化カルシウムなどさまざまな種類があり、それぞれ使う液体によって温度が変わるなど、食品に合わせた調整が不可欠。エアブラスト冷凍機に比べて、コンベアなどをつなげた流れ作業のラインが組みづらいなど、大量生産の場合は、製品や製造ラインに合わせて慎重に検討した方が良いでしょう。
冷凍機の主要メーカーのほとんどが主力製品としている「エアブラスト冷凍機」「ブライン冷凍機」があります。このページでは、それぞれの冷凍機の違いや、どちらを選べば良いのかなどを解説していくので参考にしてみてください。
結論から言えば、エアブラスト冷凍機もブライン冷凍機も同じ条件で冷凍を行えば、どちらが氷結晶を小さくできるかという点においては、さほど違いはありません。そのため冷凍品質は、どちらの冷凍機も優劣がつけられないと言えます。
エアブラスト冷凍機は送風によって食品を冷凍させるため、ブライン冷凍機の方が食品の乾燥を抑えられるといったメリットがあるでしょう。またエアブラスト冷凍機は風の流れを意識して配置しなければ、冷凍度合いにムラがでる可能性があるため注意が必要です。
ブライン冷凍機は空気よりも20倍以上熱伝導率が高い液体を活用しており、より素早く冷凍することが可能です。時間をかけて凍結してしまえば、食材の細胞を破壊しやすくなり、うま味成分が外に出てしまいます。
一方で急速に温度を低下させることによって、細胞の破壊を予防でき、食品自体の品質を損なうことなく凍結が可能。たとえば厚さ30ミリの食品であっても、約20分で冷凍できるというスピード感です。
エアブラスト冷凍機は送風によって食品・食材を冷凍する方法です。そのためパウチに入れる必要がなく、冷凍できる食品の種類が豊富というメリットがあります。形が崩れやすい菓子やパン、麺類なども冷凍することが可能です。
基本的にかかるコストは冷凍機に使う電気代のみで、ランニングコストも抑えることができるでしょう。さらにメンテナンスや清掃も簡単なので、非常に扱いやすいというのも魅力の一つです。
昭和36年創業し、長い年月食品の冷凍や冷却、加熱機器などを設計・製造・販売を担っている会社です。自社の工場で設計や製造を行っているため、要望に合わせた柔軟な対応ができます。美観や精度、耐久性まで徹底的に追求し、よりリーズナブルな費用でオーダーメイドの製品を提供してくれるでしょう。小型機から大型機まで幅広い製品をラインナップしています。
畜産や水産、農産、加工食品、酒蔵など様々な業種の企業に冷凍機を導入してきた実績を誇る会社です。液体冷凍機「凍眠」を開発・製造しており、2019年より食品卸である伊藤忠食品と業務提携した冷凍食品ブランド「凍眠市場」を運営しています。冷凍食品は味が劣るというイメージを払拭できるよう、企業として独自の製品開発やサービス提供に注力。
冷凍機だけでなく、医薬品や消毒剤、洗浄剤など日用品・化学に関するものを製造するメーカーです。日本だけでなく、海外にも拠点を構えており、グローバルなニーズにも対応しています。冷凍機では「ラピットフリーザー」を開発・販売。ほかにも「ヤシノミ洗剤」など食品衛生をサポートする洗浄剤・消毒剤の開発・販売も担っています。より多角的で革新的な商品を生み出し、社会貢献活動を実施。
凍結機をただ導入するだけでなく、工場の設計・施工管理・動線設計など規模に合わせた生産管理システムの提案も行っている会社です。工場稼働に合わせて、スタッフの教育も対応しています。超高速凍結機「ZERO-03」などを開発し、うま味成分が抜け出さない冷凍方法を提供。これまでは凍結が難しいとされてきた絹ごし豆腐やミニトマト、生クリームなどの食材の凍結も可能にしています。
新潟に本社を構える液体凍結機を専門としているメーカーです。凍結機においては食品加工場用である1種機だけでなく、飲食店用である2種機も提供。スターリングクーラーを導入し凍結機の小型軽量化や低消費電力化を図っています。液体急速凍結機「Hayabusa(ハヤブサ)」や「ReCella(リセラ)150」「ReCella(リセラ)80」など様々な製品を手掛けており、小型でありながらも性能の高い製品を提供してくれるでしょう。
大正15年から続く老舗の電機メーカーです。冷凍機以外にも自動制御盤の製造や高速道路の車種判別などのセンサー機器、汎用型の起動盤「OMS」など奥井電機ならではの製品を開発しています。OLF50・OLF200・OLF1500などのブライン冷凍機を提供しており、設計・製造・設置・検査・アフターケアまで自社で対応しており、より柔軟なサポートが可能です。
ブライン冷凍機の設置・販売や制御盤、ハーネスの設計・製造など幅広い事業を展開している会社です。「必ずご満足いただける結果」をモットーに掲げており、様々な顧客のノーズに会って製品を開発。ブライン冷凍機「Fimbul(フィンブル)」は電気代を抑えた設計など、顧客目線に立った機能を搭載した機器と言えるでしょう。冷凍したい製品に合わせて実験も実施し、適切な凍結状態になるような提案を実施。
飲食店など狭いスペースにも設置可能な「凍眠ミニ TM-01」などを手掛けている会社です。業務用曜クリーニングの効きや真空包装機の製造販売も担っており、様々な施設に機器を導入してきた実績も。ブライン冷凍機「リ・ジョイスフリーザー RF-1」はスピーディな凍結によって細胞を破壊することなく、冷凍前に近い状態をキープできるでしょう。
製本を主に行ってきた会社で、2018年より飲食事業部を開設し、翌年には「STEAK&CURRY66」をオープンしています。また2019年には「フードタイムマシン」という-60度の液体究極冷凍システムの販売を実施。サイズの異なる3タイプがラインナップされており、味・食感・香りを最大限キープできるでしょう。またDHA・EPAを完全に凍結しており、乾燥・酸化などが起きずに劣化も防いでいます。
トヨタ自動車株式会社や日立造船株式会社などとの取引実績があり、防音工事などを中心に手掛けている会社です。株式会社ゼロカラが開発している「超高速凍結機ZERO-03」の販売を実施。生鮮食品の仕入れや在庫管理が難しいなど、様々な悩みに対応してくれるでしょう。豊富な経験から培ってきたノウハウによって快適な空間づくりを提案。
エアブラスト凍結よりも凍結速度が速いので、冷却に時間がかかる厚みのある食品や大きい食品、すぐに傷んでしまう食品などにおすすめです。鮮度が求められるため、限られて地域でしか流通していなかった魚介を扱う食品加工場などでも多く導入されています。また、スープやうどん、おかゆなど液体状の総菜も手軽に冷凍できるので、仕出しセンターや給食センターなどにもおすすめ。
各社、さまざまな製品のラインナップがありますので、自社の製品やスペースに合わせて適切な製品を選びましょう。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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問い合わせ先 |
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冷凍能力 | 6~400㎏/1時間 | 3~150㎏/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 14~560㎏/1時間 |
導入事例 | 21件 | 10件 | 4件 | 17件 | 16件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
事例ありの 冷凍可能な食材 |
魚・魚加工/肉・肉加工/菓子/惣菜/パン/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜 | 魚・魚加工/肉・肉加工/パン | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 |