牛乳を通常冷凍する場合と急速冷凍させた場合では、どのような違いがあるのでしょうか。
そもそも牛乳は、そのままの状態での長期保存が難しい製品です。さらには冷凍すると風味が落ちると言われています。しかし、急速冷凍であれば牛乳特有の風味を損なうことなく長期保存できるようになります。
ここでは牛乳の冷凍について、さらに詳しく解説しています。
家庭用の一般的な冷蔵庫で牛乳を冷凍すると、まず水分が大きな氷結晶となります。さらには牛乳に含まれる乳脂肪球膜が破壊され、脂肪やたんぱく質が凝り固まってしまいます。こうした変化は風味の低下につながります。
牛乳は-0.5度ほどで凍ります。うっかり凍らせてしまわないように、冷気がじかに当たらない場所に置くなどの配慮が必要です。
牛乳は一般的に冷凍することにより、脂肪球膜の破壊や脂肪の凝集、たんぱく質の凝縮などが起きてしまい水分が氷結晶化してしまいます。もちろん冷凍することにより日持ちはよくなりますが、解凍後にそのまま飲むとざらつきを生じ、水っぽくなってしまうことがあります。牛乳は-0.5度程度から凍り始めることがありますので、冷蔵庫内で保管している場合には冷気が直接あたる場所にはおかないなどといった注意・配慮が必要になります。また、牛乳パックのまま冷凍してしまうとパック自体が膨張してしまいます。そのため冷凍する場合には小分けにして容器を移すなどの工夫も必要です。
家庭の冷蔵庫で凍らせた牛乳を自然解凍するには、常温の環境に移した上で2〜3時間を要します。その解凍した牛乳を口にすると、多くの場合、味が薄いと感じたり、口にザラつきや澱のようなものが残るのを感じることでしょう。これは牛乳の水分と栄養成分が分離しているためであり、飲んでも体に害が起こるものではありません。
解凍した牛乳を口にするのであれば、そのまま飲むのではなく加熱したり調理して使うことをおすすめします。
また、1度冷凍した牛乳を解凍し、そのまま再び凍らせることはおすすめできません。
解凍した牛乳をそのまま飲むとざらつきや水っぽさを感じると紹介しましたが、これはタンパク質が分離して沈殿するのに対して脂肪分は分離して浮上しやすくなってしまうためです。ですので飲料用としての冷凍保存はあまりおすすめできません。一方でホワイトソースをはじめとした牛乳を使う料理のための冷凍保存であれば、工夫して小分けしておくことにより使いやすくなるでしょう。冷凍保存を行う際にはその目的と冷凍することで品質がどう変わるかを踏まえて考えるようにしましょう。そうでない場合には賞味期限内に飲める分だけを購入し、飲み切ることをおすすめします。
昨今は技術の発展に伴い、さまざまな方法で冷凍を行う急速冷凍機が登場しています。急速冷凍機は食品の温度を素早く下げるために特化した機械ですが、その冷凍方法はさまざまです。-196度の液体窒素を食品に吹き付ける「液化窒素冷凍機」や食品をアルコールに漬け込む「液体急速凍結機」、-70度~-35度の冷気を食材に送って凍結させる「エアブラスト式冷凍機」などがあり、取り扱う食材の性質などに合わせて選択することになります。
急速冷凍であればどのような方法でも構わない、というようなことはなく、食材ごとに適した冷凍方法があります。ここで紹介する牛乳も例外ではなく、適した冷凍方法をとらないと容器の破損や移行臭(まわりの環境のにおいの移り)などが発生してしまう可能性があります。中でも容器破損に対する対策としては、凍結膨張に耐性を持つペットボトルを採用するか、もしくは製品容量を減らすことなどによって改善が期待されます。
牛乳を冷凍したい場合、急速冷凍庫を用いることで次のようなメリットが得られやすくなります。
メーカーや製法にもよりますが一般的に牛乳の賞味期限は、冷蔵保存でも約1週間ほどです。
しかし、これは未開封の場合であり、一旦開封した場合には賞味期限に関わらず2日程度で飲み切ったほうがいいといわれています。
牛乳はそれだけ新鮮さが大切であり、保存の難しい食品なのです。
ただ、そんな牛乳も、冷蔵ではなく冷凍することで長期保存が可能となります。凍結方法にもよりますが、30日から90日ほど冷凍保存することができます。
急速冷凍と一般的な冷凍の違いは、発生する氷の結晶の大きさにあります。
一般的な冷蔵庫で冷凍すると、牛乳がゆっくりと凍っていくため、その過程で発生する氷の結晶は大きく成長していきます。
対して、急速冷凍では低い温度で素早く牛乳を凍らせることから、できる氷の結晶は小さな粒となります。
氷の結晶が大きいと膨張率も高まり、その無理な力で牛乳の組織が破壊されてしまいます。
氷の結晶が小さい急速冷凍では、こうした組織の破壊も起こらず組織にダメージを与えることがありませんので、解凍後も風味を保つことができます。
そもそも腐敗しやすい牛乳は長い時間をかけて長距離輸送するには向かない食品でした。現代の日本では輸送網の整備によって新鮮な牛乳が食卓に並んでいますが、輸出となるとさらに輸送時間を要します。
しかし、そんな牛乳も、急速冷凍を行うことにより長期保存が可能となり、輸出にも対応できるようになるでしょう。
鮮度が命となる生鮮食品は、その鮮度を保てる範囲でしか流通しない事が一般的です。鮮度を保てない範囲にその食品を流通させてしまうと、消費期限や賞味期限を守る事ができませんし、守れたとしても味や品質が本来のものではないためブランディングに大きな影響が出るでしょう。しかし急速冷凍などの技術を駆使して高い品質の状態で長期保存が可能になると、国内外を問わず流通の幅を広げることができ、さまざまな販売経路で商品が販売できるようになるでしょう。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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冷凍能力 | 6~400㎏/1時間 | 3~150㎏/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 14~560㎏/1時間 |
導入事例 | 21件 | 10件 | 4件 | 17件 | 16件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
事例ありの 冷凍可能な食材 |
魚・魚加工/肉・肉加工/菓子/惣菜/パン/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜 | 魚・魚加工/肉・肉加工/パン | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 |