日本の主食であるごはん。飲食店でもなくてはならないものですが、一度炊いてしまうと保存期間が短い上に、冷凍すると味が落ちてしまうのが長年の課題でした。急速冷凍で課題を解決した事例を紹介し、ごはんの保存期間が短い理由についても解説します。
ごはんは炊きたてが1番おいしい状態ですが、そこから時間と共に劣化していきます。気温や品質にも左右されますが、常温保存で12時間、冷蔵で3日が限度とされています。ごはんの保存期間が短い理由を説明します。
ごはんには水分やでんぷん、糖などが大量に含まれています。これは雑菌の大好物なので腐敗しやすいというのが、ごはんの寿命が短い理由の1つ。
そしてごはんにもともと付着している「セレウス菌」もごはんの保存期間を短くします。セレウス菌はごはんを炊く高温下でも死滅せず、炊いた後常温で放置すると増殖します。やがて毒素を産出し食中毒の原因となってしまいます。
ごはんは常温で放置せず、炊いたら冷凍保存しましょう。
炊いたごはんを冷蔵庫で保存すると、雑菌の増殖は抑制できますが、お米に含まれるでんぷんが老化してしまいます。特に冷蔵庫内の温度帯で老化しやすく水分が分離し、これによってごはんがパサパサの状態に。この後、電子レンジなどで加熱すると、生のでんぷんに戻ろうとして硬くなってしまいます。
主にさば寿司やいなり寿司、細巻寿司、太巻寿司の冷凍販売を行っている生産工場で、急速冷凍でも冷凍中に米が白蝋化したり、解凍後の再現性に課題がありました。ネタとシャリの組合せでも「3Dフリーザー」を導入することで、自然解凍・冷蔵解凍・加湿解凍のいずれの方法でも冷凍ダメージがなく、本来の味をキープしたまま解凍できました。品質が安定したことで、計画生産が可能となり廃棄ロスの解消にも繋がりました。
韓国風のり巻きのキンパは、当日製造・当日消費で、余ると廃棄になります。また早朝からの製造がネックで人材不足の課題もありました。そこで3Dフリーザーを導入したところ、冷凍が難しいと考えられていた食材もおいしい状態で食べられるようになり、消費期限や廃棄の問題が解消されました。保存ができるため人材不足の課題もクリアできました。
めはり寿司とは、高菜の漬物でごはんを包んだおにぎりのことで、古くから手軽な昼食として親しまれてきた郷土料理です。通常の冷凍だと解凍後に米がボソボソの白蝋化した状態になっていましたが、超急速冷凍によって解凍後も米はしっとり、高菜の葉もスジが固くならずに食べられました。
お弁当販売で成功を収めている企業での課題は、食材ロスでした。仕込みと調理を済ませて食べられる状態で急速冷凍することにより、味はそのままに保存できます。導入により、注文に応じて解凍・盛り付けができるようになり、食材ロスが約4割減少。生産性も大幅に向上しました。
明治40年創業の老舗お米屋さんとのタイアップで、お米の軽食を急速冷凍により商品化成功しました。冷凍に適したお米を使用して混ぜ込みごはんにし、小粒のライスボールを瞬間冷凍します。真空パックなどの課題もありましたが、数回テストを繰り返し、具材3種類のライスボールの開発に成功しました。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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冷凍能力 | 6~400㎏/1時間 | 3~150㎏/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 14~560㎏/1時間 |
導入事例 | 21件 | 10件 | 4件 | 17件 | 16件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
事例ありの 冷凍可能な食材 |
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