そもそも急速冷凍機とはどんな仕組みなのか?メリットや種類など、急速冷凍庫のキホンを分かりやすくご紹介します。
急速冷凍とは、その名の通り「食品を急速に冷凍させる」技術です。一般的な冷凍庫で食品を冷凍するとゆっくり温度が下がりますが、急速冷凍では風や液体の流れを利用して冷凍することでスピーディーに温度を下げることができます。
ポイントになるのが、「最大氷結晶生成温度帯」。食品の内部に含まれる水分は-1℃~-5℃で氷になりますが、この温度帯を通過する時間が長いと食品内の水分が氷となって膨張し、細胞膜を破壊することで旨みを損なう原因となってしまいます。急速冷凍なら、食品を一気に冷却しながら最大氷結晶生成帯を30分以内で通過するので、氷の膨張を小さく抑え、食品本来の旨みを保つことができます。
急速冷凍機は、少し前まで水産業者や食品加工業者の利用が中心でしたが、技術の進化により調理済みの食品や温かい食品など、さまざまな食品を高品質に冷凍できるようになっています。鮮魚・肉・野菜・果物・刺し身・寿司・そば・うどん・ラーメン・カレー、パン・和菓子・揚げ物などの凍結に利用されています。
近年の「お取り寄せ」ブームやコロナ禍によるおうち時間の増加により、EC需要が高まっています。離島で漁獲された鮮魚など、従来の業務用冷凍では味が落ちてしまっていた食品も、急速冷凍庫なら品質を維持したままお客様へ届けることが可能に。急速冷凍庫を活用することで、販路拡大を行うことができます。
急速冷凍機を使用することでまとめて調理・保存することができるので、食材のロスを削減することが可能です。また、食材を安い時期に大量に仕入れて保存しておくことでコスト削減も実現できます。
急速冷凍機を活用することで空いた時間に下ごしらえをするなど、作り置きが可能に。調理時間の短縮や計画的な調理を行うことができます。高齢者施設や学校給食などでは調理師がまとめて調理した食事を保存し、各施設へ届けることで人手不足の解消や人件費の削減を行うことができます。冷凍によって細菌の発生を抑えられるので衛生的です。
一口に急速冷凍機と言っても、冷気で食品を凍結する「エアブラスト冷凍機」や液体につけ込んで凍結する「ブライン凍結機」、液体窒素や液体ガスを吹きかける「液化ガス冷凍機」、冷却した金属を食品に押し当てる「コンタクト冷凍機」など、仕様によってさまざまな違いがあります。
冷凍機選びの際は食品の凍結スピードや機能をよく確認し、自社の生産体制や商品に適した機械を選びましょう。
ショックフリーザーやブラストチラーは、広義の意味では急速冷凍機に含まれます。では、違いは何かというと、食品を投入できる温度帯が異なるのです。ショックフリーザーは、粗熱が取れた食品をマイナス20℃くらいまで急速冷凍することが可能。また、ブラストチラーは、90℃程度の食品を投入し、0~10℃くらいまで急速冷却できる機器です。
マイナス30℃~マイナス40℃の低温冷風で食品を凍結する急速冷凍機によって高品質な冷凍食品を製造できることは食品事業者ではよく知られていますが、急速冷凍機とショックフリーザー・ブラストチラーの違いについて理解している食品事業者は多くはないかもしれません。
重要なのは、急速冷凍機を使用するシーンを考えること。急速冷凍機、ショックフリーザー、ブラストチラーはどれも冷凍機ですが、使用したい製造・調理工程に適合した急速冷凍機を選ばなければ、食材の品質を落とすだけでなく最悪食材をムダにしてしまう可能性も否めません。製造・調理する製品は、どのような生物的危害要因が考えられるか、あるいは、加熱殺菌工程後の急速冷却・急速冷凍工程でどの程度の微生物の増殖を抑制することが必要であるかを検討し、急速冷凍機を選択するとよいでしょう。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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問い合わせ先 |
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冷凍能力 | 6~400㎏/1時間 | 3~150㎏/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 14~560㎏/1時間 |
導入事例 | 21件 | 10件 | 4件 | 17件 | 16件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
事例ありの 冷凍可能な食材 |
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