「鮮度が命」とさえ言われる魚介類は流通過程における課題が多くありますが、一方で急速冷凍など冷凍技術の活用によって新たなビジネスチャンスを生み出すことも可能といえます。ここでは、水産業者や漁協の食材に関する悩みや課題についてまとめています。
魚介類は他の食材に比べて傷みやすく、鮮度維持が難しいという欠点があります。長時間の輸送ともなると、市場に卸すまでに鮮度が落ちてしまいあまり高値で取引されないため、特に足がはやいものはあまり流通されずに漁港にある市場や飲食店などに出回ることが多くなります。
そこで、水揚げされた魚介類を急速冷凍することで、鮮度を落とすことなく長期間の保存、また旬の時期を延ばすことが可能になり、より多くの消費者に新鮮な魚介類を届けることができるようになります。
漁業は天候や季節によって漁獲量が安定しないため、小売店との直接取引ではなく、市場に卸してそこから流通していくのが一般的です。そのため他の食材に比べて新規の流通ルートの開拓が難しいほか、形が悪かったり、大きさが規定外だったりする魚介類については、正規での取引の対象になりにくいもの。事実、総水揚げ量の約3割が「未利用魚」として処理されているという報告もあります。
これらについても、急速冷凍によって漁獲量に左右されずに安定供給が図れるようになりますし、より広範囲への流通が可能になれば、日本全国や海外など漁港から遠く離れた新たな流通ルートの開拓にもつながるでしょう。さらに、これまで市場に出回りにくかった未利用魚などは、すり身にして練り物やつみれといった加工食品として保存するなど、新たな有効活用への道が開くことができます。
北海道の釧路市漁協では、急速冷凍技術を活用した水産加工品の開発に取り組んでおり、サンマやイカを素早く冷凍加工して数ヶ月で1年分の販売量を生産、「刺身で食べられる冷凍品」として生協で販売するなど、急速冷凍機の導入実例も多数あります。多くの水産業者・漁協が抱える課題解決の方法として、急速冷凍機の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
漁業組合では、鮎のブランド化を行い、販路の開拓を行うために、急速冷凍機の導入を実施しました。以前も料亭に納品していましたが、冷凍品は身質の問題がありました。そこで、急速冷凍機の活用で、高品質の冷凍鮎を生産できるようになり、京都の料亭にも出荷しています。また、高品質の鮎を生産できるため、地元の農業組合とも連携して甘露煮やうるかなどの加工も実施しています。
大阪府の漁業組合に急速冷凍機を導入した事例を紹介します。イワシやシラスなどを急速冷凍機によって冷凍し、冷凍品として販売しています。以前は近畿圏内に販売していましたが、急速冷凍機の導入後は海外へも販路を拡大できました。さらに、HACCP導入向上に整備を行い、付加価値の高い食品の生産に切り替えています。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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冷凍能力 | 6~400㎏/1時間 | 3~150㎏/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 14~560㎏/1時間 |
導入事例 | 21件 | 10件 | 4件 | 17件 | 16件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
事例ありの 冷凍可能な食材 |
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