わかめの急速冷凍

さまざまな料理に用いられているわかめも冷凍できる食材のひとつです。特に生わかめは保存期間が短く、新鮮なものは産地に行かないと食べることが難しく、現在では生わかめについてもさまざまなところで急速冷凍が用いられています。

こちらの記事では、わかめの急速冷凍を行っている事例を紹介しています。冷凍によって得られるメリットをまとめました。

わかめを冷凍する課題

わかめなど海藻類は、冷凍保存が可能な食材です。特に生わかめは生のままでは急速に鮮度が落ちてしまうので、冷凍保存がよく使用されています。わかめが持つ食感や風味をより長い時間楽しむためには、業務用の急速冷凍機を使用すると、わかめの繊細な食感や風味を保ちながら冷凍できます。

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急速冷凍機導入による課題解決事例

急速凍結した生わかめの販売への取り組み

岩手県大船渡市にて塩蔵わかめや昆布などの海藻加工やホタテの生出荷などを手がける斎藤商店では、販路拡大を目的として3Dフリーザーや蒸し器などの機材を導入し、さまざまな加工品に挑戦しています。同社は現在百貨店や小売店を中心として取引を行っていますが、今後はライフスタイルの変化に合わせ消費者が簡単に食べられるものを提供したいと考え、さまざまな加工品への取り組みを行っています。

特に3Dフリーザーを使用することで、解凍後も食材の食感が失われない点に注目し、冷凍わかめの出荷に取り組んでいます。ボイル塩蔵わかめを塩抜きしてから真空包装して急速凍結を行うことで、わかめの食感や香り、味をそのまま消費者に届けることができます。

水揚げされた日のうちに湯通し、急速凍結して全国にお届け

生わかめは保存できる期間が短く、さらに塩蔵すると風味や食感が変化してしまいます。さらに、茎わかめの部分は塩抜きにかかる時間が長いので、塩蔵わかめの場合、葉と茎を分けて塩抜きする必要がありました。

しかし、「旬のおいしさをさまざまな人に届けたい」という思いから、理研ビタミン株式会社では水揚げされたわかめをその日のうちに湯通しし、急速凍結を行った製品を販売しています。必要な時に必要な分だけ使用できる、カット済みのバラ凍結タイプも用意されています。こちらの製品により、歯切れのよい食感が楽しめるわかめを、産地ではなくても食べられるようになっています。

鳴門で育ったわかめの美味しさや歯応えを楽しめる

徳島県鳴門市にあるうずしお食品では、鳴門海峡の激流で育った、肉厚で歯応えも良いわかめを冷凍して販売しています。同社では試行錯誤の末、2017年から冷凍わかめの製造をスタートしています。この冷凍わかめは、海から揚げられたわかめをすぐに湯通しして急速冷凍を行ったシンプルなもので、軽く水を通すだけで使用できます。加工を行う際に塩を揉み込まないのでわかめの表面に傷がつかず、余計な水分が入りにくくなるので、採れたての弾力や風味が楽しめる商品となっています。

早採れわかめの美味しさを急速冷凍にて届ける

宮城県・石巻市の漁業生産組合　浜人では、早採れわかめを急速冷凍することで、通年で味わえる商品を販売しています。この商品は、わかめを収穫後湯通しをして付着している海水を洗い流し、そのまま急速冷凍保管を行うことで、わかめの風味や食感をそのまま味わえます。漁師自らが収穫・加工を行っている点、また風味や食感を失わない急速冷凍を行っている点も製品のこだわりです。使用する際には解凍するだけで、わかめの美味しさを楽しめます。

わかめを冷凍するメリット

生わかめは非常に保存期間が短い食品ですが、冷凍することで、その美味しさを長い期間楽しめます。これまで産地に足を運ばないと味わうことが難しかった美味しさを、急速冷凍することでさまざまなところに住んでいる人が楽しめるようになり、また実際に使用する際には手間をかけずに調理ができます。