そうめんの急速冷凍

かつては冷凍に適さないとされてた麺類ですが、昨今の冷凍技術の向上により、うどんやパスタはもとより、特に冷凍に適さないとされていたそうめんも、おいしく解凍できる食品となりました。ここでは、冷凍そうめんの課題、課題を解決した事例、急速冷凍そうめんのメリットなどをご紹介しています。

そうめんを冷凍する課題

• そうめんの命でもあるコシが失われる
• 表面のツルツル感がなくなる

急速冷凍機とは異なる一般的な業務用冷凍機で茹でたそうめんを冷凍した場合、上記のような点が課題になるでしょう。

表面のツルツル感については、消費者に正しい解凍方法を啓蒙することで解決する可能性がありますが、コシ・食感については解決が難しい問題です。いわゆるアルデンテを残したまま冷凍するためには、アルデンテが失われる前に冷凍工程が完結していることが必須となります。

急速冷凍機導入による課題解決事例

スーパーや飲食店に冷凍麺を卸している製麺工場の事例

もともと生麺や乾麺を専門に製造していた九州の製麺工場。高い市場ニーズに応えるため、冷凍麺の製造にも着手した。

着手した当初は、茹でた麺の粗熱取りと冷凍の工程に約6時間かかっていたとのことだが、需要の伸びに対応しきれず常に工場の生産能力は逼迫している状況。問題を打開するため、急速冷凍機の導入に踏み切った。

導入した急速冷凍機は、茹でた後の麺の粗熱取りは不要で、温かいままの麺をそのまま投入する仕様。投入後、マイナス18度までの冷凍に要する時間は2.5時間と、リードタイムを以前の2/5まで短縮することに成功した。

急速冷凍機の導入で生産が需要に追いつき、現在ではネット通販も含め1日約2,500食分の冷凍麺を安定的に供給している。

急速冷凍でお店のような麺の食感を再現した食品工場の事例

冷凍した麺類を解凍後、麺類の命との言える強いコシを再現できれば、自社の販売する麺が市場に広く受け入れられると考え、某食品会社では急速冷凍機の導入を検討した。

解凍後の品質重視で様々なメーカーの急速冷凍機を試用。結果、自社製品に適した急速冷凍機と出会い、導入を決めるに至った。

導入した急速冷凍機で冷凍された麺は、冷凍のままお湯でひと煮立ちさせるだけで、まるで本格的なお店のような食感を再現。家庭で簡単にお店の麺を楽しめることが口コミで広がり、現在では計画的な生産体制に入っている。

「そうめん」を冷凍するメリット

一般的にそうめんは乾麺なので、保存性の高さという点では、かならずしも冷凍のほうが有利とは言えません。それでもそうめんを冷凍する意味は、何より調理時間の短縮につながるからです。

乾麺の場合、茹で上がるまでに一定の時間が必要ですが、冷凍そうめんはお湯へ簡単に通すだけ。調理を行う主婦（主夫）にとって、この点は大きなメリットに感じられるでしょう。

また、お湯にくぐらせて冷やすだけの調理工程なので、乾麺で起こりがちな「茹ですぎ」が発生しません。急速冷凍そうめんにはコシが生きていますが、茹ですぎが起こらない以上、このコシを失う可能性も限りなくゼロになります。この点も、急速冷凍そうめんの大きなメリットと言えるでしょう。

豊富な食材に対応
急速（瞬間）冷凍機5選を見る