伝統的な保存食である漬物は、塩分や酸、アルコールの力を活かして長期保存が可能な食品です。しかし、昨今は減塩したものが好まれる傾向にあり、減塩したことによる保存性の低下が課題となっています。この記事では、急速冷凍で漬物の長期保存に成功した事例を紹介し、漬物を冷凍保存する際の課題についても解説します。
漬物では、塩分によって長期保存する場合、塩分濃度は15%以上必要とされていますが、このような高濃度の塩分では、野菜本来の風味が損なわれてしまい、調理などで2次利用する場合は脱塩処理をしなければならないというデメリットがあります。
また、漬物は昨今の健康志向の高まりにより、減塩したものが好まれる傾向にありますが、減塩すると保存性が低下してしまうという課題がありました。また、保存期間が長くなると発酵が進んでしまい、味が変わってしまう悩みがありました。
漬物を減塩化しつつ、保存性を高める方法には酸、アルコールの添加、加熱殺菌などがありますが、冷凍保存も選択肢の一つです。冷凍保存は添加物なしでできるので、味そのものには影響をあまり与えないというメリットがあります。
しかし、通常の冷凍保存では、ドリップの影響などにより漬物が柔らかくなってしまい、独特の歯ごたえや歯切れの良さが失われてしまうというデメリットがあります。とくに、キュウリやナスなどの肉質の厚いものは、この傾向が顕著に見られます。
この課題を解決するのが、現在注目されている急速冷凍です。次項では、この急速冷凍により、漬物の長期保存を可能とした課題解決事例を紹介します。
納豆やキムチなどの発酵食品は、納豆菌や乳酸菌の働きにより発酵することで美味しさを生み出していますが、発酵が進みすぎると風味が損なわれてしまいます。しかし、冷蔵保存(10~-14℃程度)では、何らかの方法で発酵を止めない限り、徐々に発酵が進んでしまうという課題がありました。急速冷凍をおこなうことで、-15℃以下で冷凍保管することにより、発酵を止め、大幅な賞味期限の延長を実現できます。
特定の条件下における漬物の冷凍保存では、発酵の進行を止め、風味が変わってしまうのを防止し、塩分が少ない場合も賞味期限を延長できます。
また、急速冷凍することで漬物に含まれる水分による、氷の結晶の成長が抑制され、細胞を壊さずに冷凍できます。このため、解凍時に品質を損なわず提供が可能です。これら急速冷凍による長所は、食品の管理や流通に関して下記のメリットをもたらします。
商品の賞味期限を長く設定できることや、冷凍保存できることで、活用できる用途が広がり、販路拡大につながります。また、従来では不可能であった新たな用途への採用を見込んだ商品開発も実現できるでしょう。さらに、冷凍状態で輸送することで、輸送時の品質劣化を防止し、良質な状態で消費者へ届けることが可能となります。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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冷凍能力 | 6~400㎏/1時間 | 3~150㎏/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 14~560㎏/1時間 |
導入事例 | 21件 | 10件 | 4件 | 17件 | 16件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
事例ありの 冷凍可能な食材 |
魚・魚加工/肉・肉加工/菓子/惣菜/パン/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜 | 魚・魚加工/肉・肉加工/パン | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 |