畜産業では、解凍時のドリップや肉の変色・ランニングコストがかかりやすいといった課題があります。畜産業で扱う食材をできるだけ良い状態に保つには、ドリップの元となる大きな氷の結晶が細胞にできないように急速冷凍で冷やすことが大切です。
ここでは、こうした畜産業の食材に関する悩みや課題について考えてみましょう。
一般的な方法で冷凍を行うと、贈答用のスライス肉やステーキ肉は酸化による変色が起きやすくなります。これによって、肉の部分の赤みがくすんだり脂身部分が白からピンク色に変わってしまいます。空気に触れる時間が長いと、酸化によって味が落ちてしまい、細胞組織も壊れてしまうので、この時間を短くすることが重要です。
肉や魚に含まれる細胞の氷となっていた部分が溶けると、ドリップと呼ばれる赤い水分が出てきてしまう事があります。これには、うまみ成分が多く出ていて、ドリップが出ると食材がパサつくなど味を落とす原因になると同時に、菌の増殖により食中毒のリスクもあります。
冷凍に時間がかかるとより多くの水分が出やすくなってしまい、特に1~-5℃の温度帯は結晶が大きくなってしまうことから、温度を早く下げられる機種を選ぶことが大切です。
ランニングコストが高くなってしまうと、経営にも打撃となります。急速冷凍機のランニングコストは、機能・性能によって価格が大きく異なります。冷凍庫の管理温度や使用法によりランニングコストが高くなります。
解凍した際にドリップ量が多くなる、肉の酸化による劣化で商品の味や見た目に影響がでる、ランニングコストがかかる、こうした課題は経営に影響を与える悩みでしょう。急速冷凍機を導入することで、ドリップの原因となる細胞にできる大きな氷をつくらない、肉の酸化を防ぐことも「急速冷凍」することで可能です。また、ランニングコストを一般的な冷凍庫とさほど変わらずに抑えることも、機種・機能の選定により検討できます。
ここでは、実際に急速冷凍機の導入で悩みが解決できた事例をご紹介します。
猪肉専門店の事例です。専門店で使用していた冷凍機はアルコールブライン凍結を採用しており、食材を解凍するとドリップが多くでる、ランニングコストが高額、真空包装前には凍結できず商品開発ができない、などの悩みを抱えていました。課題解決のためプロトン冷結機を採用したところ、猟期が決まっていて年間を通しての商品づくりが難しい猪肉でも、高品質で安定した商品づくりができるようになり、需要のない部位を使った新商品の開発にもつながっています。また、ランニングコストの削減にもつながりました。
畜産加工会社の事例です。F社では極力保存料を使用しないように製品をつくっています。そのため、冷蔵では1ヶ月以上保存ができる製品はつくることができませんでした。液体冷凍機を導入したことにより、製品の鮮度や味を維持した状態で長期保存ができる製品を開発できるようになりました。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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冷凍能力 | 6~400㎏/1時間 | 3~150㎏/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 14~560㎏/1時間 |
導入事例 | 21件 | 10件 | 4件 | 17件 | 16件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
事例ありの 冷凍可能な食材 |
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