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大量調理における急速冷却機(ブラストチラー)活用法

大量調理で安全・品質・効率を両立するには、加熱後の危険温度帯を素早く通過させる仕組みが要です。急速冷却機(ブラストチラー)はその中心装置で、厚労省マニュアルの温度・時間・記録の要件を現場で実装するのに適しています。本稿では「急速冷却機(ブラストチラー) 大量調理」の要点を、法令・基準と運用のコツに絞って簡潔にまとめます。

急速冷却機(ブラストチラー)を大量調理で導入する意義

食品安全(温度帯管理・二次汚染抑制)

病原菌が増えやすい約20〜50℃の温度帯を短時間で通過させることが、大量調理の基本です。急速冷却機(ブラストチラー)は小分け・浅層化と組み合わせることで、30分で20℃付近、または60分で10℃付近までの冷却と、10℃以下または65℃以上での保持を実務化できます。搬入出時刻・庫内温度・芯温の記録まで含めてSOP化すると、二次汚染リスクも同時に下げられます。

品質維持(ドリップ・香り・食感)

急速冷却は安全だけでなく「おいしさの延長」に直結します。ゆっくり冷えるとドリップ流出や香りの飛散、でんぷんの老化が進みますが、適切な風量と浅い層厚で素早く通過させると、肉のジューシーさや野菜の歯ざわり、スパイス感を保ちやすくなります。ソフトチルや蓋・フィルムでの乾燥対策も有効です。

作業平準化と歩留まり

「加熱→急冷→保存→再加熱」のフローを組むと、ピーク作業を分散でき人員配置が平準化します。余熱ロスと乾燥ロスが減るため歩留まりも安定し、温度・時間・ロットのログが残ることで検証と是正が迅速になります。

関連法令・基準の要点

急速冷却機(ブラストチラー)の大量調理施設衛生管理マニュアルの適用範囲

厚労省「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、同一メニューを1回300食以上または1日750食以上提供する調理施設が対象です。受入から配膳までの重要管理事項と記録の考え方が示され、急速冷却・小分け・温度保持・区域区分などが明確化されています。

冷却基準

加熱後の冷却は、30分以内に中心20℃付近、または60分以内に10℃付近まで下げる工夫が求められ、開始・終了時刻の記録が必要です。提供までの保管は10℃以下または65℃以上を維持し、配送も同温度帯で管理します。

提供までの管理と「2時間以内が望ましい」の考え方

調理後の食品は原則、調理終了後から2時間以内の喫食が望ましいとされます。即時提供できない場合は保温食缶や保冷設備へ迅速に移し、搬入出時刻と設備温度を記録して逸脱の早期発見に備えます。

HACCP制度化(2021年6月〜)と記録義務

2021年6月1日から、原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が制度化され、計画の作成・実施・記録・検証が必須になりました。チラーの温度ログや芯温プローブ記録は、工程管理と監査対応の中核データになります。

急速冷却機(ブラストチラー)の冷却プロセス

前準備

庫内とラックを事前に冷やすと立ち上がりが安定します。器具は用途別に区分し、洗浄・殺菌・乾燥の徹底と清潔保管を行います。メニューごとに目標芯温・冷却時間・差し位置・回転数を決め、記録担当も含めた役割分担を事前に明確化します。

小分け・浅型バット・装填率の目安

冷却速度を決めるのは層厚です。浅型バットで均一に広げ、目安として50mm以内に抑えると再現性が高まります。吸込み・吹出しを塞がないレイアウトで装填し、初期検証で自施設の装填率と冷却時間の関係を測って標準化します。

モード/風量選択と芯温プローブの使い方

乾燥しやすい品はソフトチル、肉塊や揚げ物はハードチルなど、食材特性に合わせて風量とモードを選びます。プローブは最厚部に正確に挿し、毎回の洗浄・消毒・乾燥で交差汚染を防ぎます。庫内温度と芯温の両睨みで自動停止・保冷移行を設定します。

冷却後の保冷・保温への切替と記録

目標芯温に達したら、チルドは10℃以下、温提供は65℃以上に即時移行し、搬入出の時刻・庫内温度・芯温をひとまとまりの記録として残します。配送がある場合も同温度帯で管理し、ロットと紐づけてトレーサビリティを確保します。

機器選定と設計

容量計算

必要処理量は「1バッチ装填量×ピーク時回転数」で見積もります。基準メニューで試運転し、冷却時間と装填率を実測して余裕を見た機種・台数を決めると、繁忙期や増産時にも安定します。

段数・ホテルパン規格・風量とムラ対策

既存のホテルパン規格に合う段数・棚間隔を選ぶと装填と搬送がスムーズです。風路を塞がない配置と均一な層厚がムラ対策の基本で、段位置ごとの冷却差は検証してローテーションで平準化します。

自動洗浄・データ出力など運用便利機能

自動洗浄・殺菌、USB/ネットワークでの温度ログ出力、プローブ連動停止、予冷タイマーなどはHACCP記録と日常点検を省力化します。現場のSOPと記録様式に合致する「必要十分な機能」に絞ると導入効果が高まります。

既存厨房への導入と電源・排熱・結露対策

電源容量・ブレーカ・排熱経路・離隔・上方空間・ドレン勾配を事前確認し、夏季の霜付き対策として予冷延長や扉開閉最適化を運用に組み込みます。床レベル・キャスター固定・結露滴下防止など設置細部が安全と衛生を左右します。

厨房レイアウトと衛生動線

区域区分と急速冷却機(ブラストチラー)の配置

厨房は汚染作業区域、準清潔(調理)、清潔(放冷・調製・製品保管)に区分します。急速冷却機(ブラストチラー)は清潔側に置き、下処理動線と交差させない配置が基本です。入口の手洗い・履物消毒、器具の用途別専用化も明示します。

冷却〜保管〜出荷のワンウェイ動線

「加熱→急冷→保冷→出荷」の一方向動線を徹底し、逆流と交差を排します。保冷設備の近傍に積み込み動線を集約し、滞留時間を最小化すると、記録ポイントもシンプルになり逸脱対応が早まります。

プローブ・容器・ワゴンの衛生管理

プローブは使用の都度、洗浄・消毒・乾燥を徹底し、先端保護して清潔保管します。バットやトレーは色分け・専用化し、80℃5分以上等で殺菌・乾燥します。ワゴンは床の跳ね水が及ばない高さで扱い、点検記録を残します。

クックチル/ニュークックチル運用

基本工程

国内に公的なクックチルの温度・時間ルールはなく、手引書では英国ガイドラインの数値が参考として示されています。加熱終了後30分以内に冷却を開始し、90分以内に0〜3℃へ、保存も0〜3℃、再加熱は70℃2分以上(日本基準では75℃1分が併記)という運用が採用例として整理されています。

セントラル→サテライト配送時の温度管理

配送中はチルドは0〜3℃、温提供品は65℃以上を維持し、庫内温度や時刻を記録します。受入側でも提供まで時間を要する場合は10℃以下保存と記録が必要で、ロットと紐づけた温度ログが逸脱判断の拠り所になります。

消費期限・メニュー適性と再加熱機器

英国ガイドラインの引用では、クックチル品の消費期限は製造日と消費日を含め5日以内とされます。層厚、粘度、脂肪・水分比、再加熱機器(スチコン等)の特性で適性が変わるため、自施設の献立で検証し、保存日数や再加熱条件を保守的に設定します。

品目別の冷却ポイント

肉料理(ハンバーグ等)

成形時から厚みを均一にし、加熱後30分以内に冷却を開始します。浅いバットで整列し、最厚個体の中心にプローブを刺して監視し、表面乾燥を避ける風量で素早く目標芯温へ到達させます。50mm以内の層厚目安は均一冷却に有効です。

とろみ/粘性料理(カレー等)

粘性が高い料理は中心が冷えにくいため、浅型バットへ広げて短時間の断続攪拌で温度均一化を図ります。上面は覆いを活用しソフトチルで乾燥を抑え、容器中央・最厚部にプローブを挿して管理します。

デザート/卵乳製品

プリンやムースは表面荒れを防ぐため風量弱めのソフトチルが適しています。容器を予冷し、蓋やフィルムで乾燥を抑え、狙いの食感に達した時点で保冷に切り替えます。微生物リスクを考慮し、10℃以下の保持と搬送時の温度管理を徹底します。

叶いにくい品目の代替手順

米飯や大量の葉物、粘性の高いスープなどは、急速冷却機(ブラストチラー)単独では時間内の芯冷却が難しい場合があります。層厚をより薄くする、小分け容器の追加、氷浴や撹拌併用のほか、蒸発潜熱で内部から冷やす真空冷却の採用も選択肢です。方式選択は衛生・品質・歩留まりのバランスで判断します。

まとめ

急速冷却機(ブラストチラー)は、大量調理の安全(温度・時間・記録と二次汚染防止)、品質(食味・食感の保持)、効率(平準化と歩留まり)を一体で実現する装置です。厚労省マニュアルの「30分で20℃付近/60分で10℃付近」「10℃以下または65℃以上保持」「2時間以内が望ましい」をSOPとログで日常化し、必要に応じて0〜3℃を基準とするクックチル/ニュークックチルの運用を組み合わせれば、HACCPに沿った安定運用と品質再現性を両立できます。

PICK UP
導⼊実例ありの
急速冷凍機5

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製品名 3Dフリーザー
(KOGASUN(旧:古賀産業))
プロトン凍結
(菱豊フリーズシステムズ)
トンネルフリーザー
(タカハシガリレイ)
リジョイスフリーザー
(米田工機)
凍眠
(テクニカン)
問い合わせ先
KOGASUN(旧:古賀産業)

引用元HP:KOGASUN(旧:古賀産業) 公式
https://kogasun.com/

公式HP

菱豊フリーズシステムズ

引用元HP:菱豊フリーズシステムズ 公式
http://www.proton-group.net/top/

公式HP

タカハシガリレイ

引用元HP:タカハシガリレイ 公式
https://www.galilei-tm.co.jp/

公式HP

米田工機

引用元HP:米田工機 公式
https://kyusokureitoki.jp/

公式HP

テクニカン

引用元HP:テクニカン 公式
https://www.technican.co.jp/product-info/tomin/

公式HP

冷凍能力 8~500㎏/1時間 3~300kg/1時間 ※WEB上に情報なし 1.5~100㎏/1時間 15~650kg/1時間
導入事例 41件 10件 17件 28件 22件
設立 1969年 1999年 1960年 1973年 1988年
事例ありの
冷凍可能な食材
魚・魚加工/肉・肉加工/菓子/惣菜/パン/麺 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜 魚・魚加工/肉・肉加工/パン 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺

選定基準:2024年11月12日時点Google検索で100位まで検索した急速冷凍機26社のうち導入事例が多いメーカー5社をピックアップしました。