限られたスペースでも大量の連続凍結が可能となるスパイラルフリーザー。こちらでは、スパイラルフリーザーの具体的な構造や冷却の仕組み、導入するメリットや注意点、さらにトンネルフリーザーとの違いについて詳しく解説します。
スパイラルフリーザーは、垂直な円筒形ドラムの周囲にベルトコンベアをらせん状に巻き付け、下から上(または上から下)へ食品を連続的に搬送しながら凍結させる急速冷凍装置です。平面的な広さよりも”高さ”を活用するため、狭い床面積の工場でも導入しやすいのが大きな特徴です。
庫内では-30℃〜-40℃程度の強力な冷風を循環させており、食品の中心温度をムラなくスピーディーに下げることができます。食品製造工場や水産加工場、惣菜工場などで広く採用されており、生産ラインを止めることなく連続凍結を行うことで生産効率を飛躍的に高める役割を担います。
スパイラルフリーザーの大きな強みは、垂直方向にコンベアを積み上げることで、限られた面積の中で圧倒的に長い搬送距離(滞留時間)を確保できる点にあります。駆動方式としては、中央の巨大なドラムをモーターで回転させてベルトを摩擦で引き上げるドラム駆動式が一般的ですが、近年では中央ドラムを持たず、ベルト自体に内蔵された駆動メカニズムで動作するダイレクト駆動式の採用も進んでおり、より省スペースで衛生的なモデルが登場しています。
冷却の仕組みとしては、庫内に設置された冷却器のフィンに冷媒を流し、送風ファンを使って冷気を循環させます。対象となる製品の形状や厚み、含水率に合わせて、水平方向に冷風を当てるサイドフローや上下から吹き付けるバーチカルフローなどを最適に設計することで、効率的かつ均一な急速凍結を実現しています。
コンベアをらせん状に何段も積み重ねる構造により、直線型のフリーザーと比較してわずかな床面積で長時間の連続凍結ラインを構築できます。これにより、工場の建屋を増築することなく、既存のスペース内で生産規模を大幅に拡大することが可能です。
省スペースで設置できるため、前後の加工工程や包装ラインとのレイアウト調整が行いやすく、スムーズな動線設計が実現できる点も大きな利点といえます。
コンベアの全長が長いため、製品が庫内に滞留する時間を十分に確保できます。そのため、ハンバーグやコロッケ、弁当、厚みのある水産加工品など、中心温度を下げるまでに時間を要するじっくりと熱を奪う必要がある食品の凍結にとても向いています。
また、コンベアの速度をインバーターで調整することで滞留時間をコントロールできるため、1台の設備でサイズの異なる多品種の製品に対応しやすいという汎用性の高さも魅力です。
スパイラルフリーザーは、製品の投入口と取り出し口の位置や高さを前後のラインに合わせて柔軟に設計できるという強みを持っています。たとえば、低い位置から投入して、高い位置から排出し、そのまま2階の包装ラインへ送るといった立体的なレイアウトも可能です。
さらに、生産量や製品サイズに合わせてベルト幅や段数、コンベアのピッチを細かくカスタマイズできるため、自社の運用にぴったりと適合するラインを構築できます。
デメリットとしては、らせん状の立体構造ゆえに死角が多く、毎日の清掃や洗浄作業に時間と手間がかかる点です。コンベアの重なり合う部分や駆動部の奥などは目視しづらく、手作業での洗浄では汚れを落としきれないリスクがあります。
また、部品点数が多いため、ベルトの摩耗による蛇行調整や定期的なグリスアップなど、保守メンテナンスの負担も大きくなります。衛生管理の労力を減らすためには、庫内を自動で丸洗いできるCIP(定置洗浄)機能が搭載されたモデルを選ぶなどの対策が必要です。
複雑な駆動メカニズムと長大なコンベアを要するため、直線型のトンネルフリーザーと同等の処理能力で比較した場合、装置本体の価格は高額になる傾向があります。
加えて、床面積は小さくて済むものの、縦に伸びる構造上、工場には十分な天井高が求められます。建屋の梁や配管が干渉して設置できないケースもあるため、導入前の綿密な現地調査が欠かせません。
スパイラルフリーザーが垂直方向にコンベアを巻き上げる立体・省スペース型(天井高が必要)であるのに対し、トンネルフリーザーはコンベアを水平に長く配置する平面・直線型(広い床面積が必要)という明確な違いがあります。自社工場の空きスペースの形状、高さに余裕があるか、直線距離に余裕があるかが、機種選定の第一関門となります。
スパイラルフリーザーは厚物やトレイ品の大量生産に強い一方で、洗浄の難しさや初期コストの高さが課題です。対してトンネルフリーザーは、構造がシンプルで見通しが良いため、毎日の洗浄やメンテナンスの負担を大幅に軽減できます。
また、トンネルフリーザーはコンベア上の製品に対して強力な冷風をダイレクトに吹き付けやすいため、カット野菜やひき肉、むきエビなどをくっつけずにパラパラの状態で凍結させるバラ凍結(IQF)において強みを持っています。IQF製品をメインに扱う場合や洗浄にかかる人件費を抑えたい場合は、トンネルフリーザーが有力な選択肢となります。
スパイラルフリーザーとトンネルフリーザーのどちらが適しているかは、対象となる食品の厚みやバラ凍結の有無といった特性、求める生産量、工場のレイアウトによって決定されます。自社に最適な設備を見極めるためには、一つの方式に固執せず、複数メーカーの仕様や見積もりを比較検討することが不可欠です。
当サイトでは、実績豊富なトンネルフリーザーのメーカーを紹介しています。それぞれの特徴を比較し、自社の課題解決につながる設備選びにお役立てください。
スパイラルフリーザーは、コンベアをらせん状に配置することで縦の空間を有効活用し、限られた床面積で長時間の滞留時間を確保できる優れた急速冷凍装置です。厚みのある食品や大量生産に力を発揮する一方で、構造の複雑さからくる洗浄の難しさや初期費用の高さには注意が必要です。
急速冷凍機を選定する際は、目先の設置スペースだけでなく、日々のメンテナンス性や長期的なランニングコストを含む総所有コストの視点で判断することが重要です。導入実績の豊富なメーカーへ相談し、テスト凍結などを経て慎重に検討を進めていくことをおすすめします。
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| 製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
|---|---|---|---|---|---|
| 問い合わせ先 |
![]() 引用元HP:KOGASUN(旧:古賀産業) 公式 |
引用元HP:菱豊フリーズシステムズ 公式 |
引用元HP:タカハシガリレイ 公式 |
![]() 引用元HP:米田工機 公式 |
引用元HP:テクニカン 公式 |
| 冷凍能力 | 8~500㎏/1時間 | 3~300kg/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 15~650kg/1時間 |
| 導入事例 | 41件 | 10件 | 17件 | 28件 | 22件 |
| 設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
| 事例ありの 冷凍可能な食材 |
魚・魚加工/肉・肉加工/菓子/惣菜/パン/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜 | 魚・魚加工/肉・肉加工/パン | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 |
選定基準:2024年11月12日時点Google検索で100位まで検索した急速冷凍機26社のうち導入事例が多いメーカー5社をピックアップしました。