きのこ類の急速冷凍

きのこ類は、鍋やパスタなど数多くの料理にも使われ、ダイエット食材としても馴染みがある食材です。しかし、賞味期限が短く保存しづらいため廃棄が多いことが課題とされてきました。ここでは、きのこ類の急速冷凍の事例やメリットを交えて、おすすめの理由について解説します。

きのこを冷凍する課題

きのこを冷凍するとまずいと感じることがあります。冷凍したことで味や香りが変わり、水分が出て料理に悪影響を及ぼすこともあります。

またマッシュルームなどはぬめりや変色が出るのも早く、傷みやすい特徴があります。水分を吸収しやすい性質があり、鮮度が落ちやすいのです。

冷凍によって水分のコントロールがうまくできないと、解凍した際にまずいと感じてしまいます。

急速冷凍機を導入したことで悩みが解決した事例

キノコ類の凍結テスト

水分量が多く賞味期限が比較的短いきのこ類ですが、急速冷凍機を導入したことにより、問題解決につながった事例があります。

シメジ

シメジは通年スーパーマーケットなどで販売されている食材です。冷蔵保存ではすぐに傷んでしまい、味が落ちてしまう難点がありました。

急速冷凍により、味は変わらず調理用として保存可能になりました。

冷凍前と形が変わってしまい、陳列用には不向きではありますが、レストランや飲食店で保存できるため、廃棄ロスやコストの削減につながりました。

しいたけ

日本料理の出汁などに使われるしいたけは、水分量が多く鮮度が落ちやすい課題がありました。

しいたけの急速冷凍を導入することで、新鮮な状態と見栄えを保つことに成功。

冷凍しいたけは、長期保存が可能となり、調理用としてもスーパーマーケットや八百屋などで陳列することもできます。

マッシュルーム（ブラウン・ホワイト）

マッシュルームは、細胞が壊れることにより旨味が増すという特性があります。

急速冷凍を導入したことにより、旨味が増したマッシュルームをレストランなどで味わえるようになりました。解凍時にドリップが出てしまうため、陳列用としては不向きですが、調理用として長期保存が可能となり、廃棄ロスの削減につながりました。

トリュフ

トリュフは、キャビア・フォアグラと並び、世界三大珍味として知られる食材です。

基本的に人工栽培ができず、収穫量が限られるため食材不足に陥りがちのため、長期保存が必要とされています。

急速冷凍でドリップや変色は見られたものの、味・香りは残りましたので、生食以外の方法で調理する飲食店で活用でき、食材不足の解消が期待できます。

松茸

きのこは冷凍すると風味や味が落ちてしまいます。松茸をシーズンオフにも食べられるよう冷凍保存したいけれど、松茸の真骨頂でもある風味や味が落ちることが課題でした。急速冷凍をすることで、1年を通して松茸を生鮮と変わらないおいしさで提供できるようになりました。

エリンギ

きのこ類は冷凍処理で加わるダメージに弱く、家庭で冷凍すると風味や食感を損なうのが課題でした。きのこ生産工場では、収穫後そのまま急速冷凍をして出荷。石突部分はカットしていますので、冷凍のまま調理に使うことができるようになりました。エリンギは食べやすくカットして急速冷凍しています。

なめこ

なめこは独特のヌメリが特徴ですが、瞬間冷凍することによって特有のヌメリも一緒に凍結できます。解凍してもヌメリごと生鮮のようななめこを味わうことができるようになりました。

えのき

値段も手頃で使用頻度の高いえのき。家庭で冷凍すると変色したり味が変わったりすることがあります。そこで使いやすい大きさにカットしたエノキを急速冷凍して販売しています。さまざまな料理に冷凍したまま使えるようになりました。

きのこ類を冷凍するメリット

きのこ類は冷凍すると旨味や栄養素が凝縮され、おいしくなるといわれる一方で、通常冷凍すると解凍時に水分が出て料理の味を損ねる課題がありました。また水分を吸収しやすいため、傷みやすいという性質もあります。

きのこ類を急速冷凍することにより、長期保存だけでなく解凍時の課題も解消できるようになります。カットして急速冷凍するとそのまま調理に使用でき、手軽でおいしくきのこを味わえるのもメリットです。使う分だけ取り出せますので、食品ロスもなくなります。

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