急速冷凍の機器は、さまざまな名前で呼ばれていることがあります。まるで違う性能があるのかと思ってしまいますが、基本的には同じものを指しています。急速冷凍の冷やし方によって分類が可能なので、それぞれの特徴や向いているものを解説します。
食品を急速冷凍する機器には、「急速冷凍」や「瞬間冷凍」「ショックフリーザー」などさまざまな呼称があります。各メーカー・各製品ごとに性能の違いはあるものの、これらは基本的に同じものを指しており、名称以外に違いはありません。用語として厳密な意味の違いはないので、どのように呼んでも急速に冷凍する機器ということになります。
急速冷凍または急速凍結とは、「食品を冷凍する過程において、食品の品温が30分以内に最大氷結晶生成帯(-5〜-1℃)を通過すること」と定義されています。
一般的な冷凍庫は庫内温度が-20℃程度で、ゆっくり品温が下がり冷凍されます。すると食品の中に大きな氷結晶ができてしまいます。
急速冷凍は、急速に品温を下げて冷凍するため、氷結晶を小さく抑えることが可能です。
エアブラスト式冷凍は、冷却された強風を食品に吹きかけることで急速に冷凍する方法です。
通常、冷風の温度は-30℃から-40℃の範囲であり、一般的な冷凍庫よりもはるかに強力です。
この方法の最大の利点は、ランニングコストが比較的安価であり、導入しやすい点です。
多くの食品加工現場で広く使用されており、食品の鮮度を保ちながら迅速に冷凍できます。
ブライン式急速冷凍は、アルコールなどの不凍液に食品を浸すことで急速に凍結させる方法です。
食品は約-35℃の冷却された不凍液に浸されるため、エアブラスト式冷凍に比べて冷凍ムラが少なく、均一に冷凍されます。
液体は空気よりも熱伝導率が約20倍高いため、効率的に冷凍することが可能です。
このため、食品の形状やサイズにかかわらず、高品質な冷凍が実現します。
液化ガス噴霧式急速冷凍は、-196℃の液体窒素を食品に直接吹きかけて瞬時に凍結させる方法です。
この手法は凍結速度が非常に速いため、大量の食品を短時間で処理するのに適しています。
しかし、液化ガスを使用するため、設備の導入と運用に高コストがかかります。
そのため、主に大規模な工場などで使用されることが多いです。
安全面では、酸欠や爆発のリスクがあるため、取り扱いには注意が必要です。
この2つの明確な違いは、投入できる温度帯です。
ブラストチラーは約90℃の料理を投入でき、0〜10℃まで急速に冷却する機器です。できたての熱い料理を一気に冷やし、菌の繁殖を抑えて食中毒リスクを軽減します。
一方、ショックフリーザーは粗熱が取れた料理を投入し、-20℃前後まで急速冷凍する機器です。一般的な業務冷凍庫より短時間で冷凍できるため、素材の水分や色が抜けるのを防ぎ、料理の風味を保ちます。
急速冷凍や瞬間冷凍という言葉の違いに意味はありませんが、急速冷凍機は冷やし方によって分類ができます。それぞれの冷やし方や向いているものを紹介します。
-40℃〜-20℃で食品をスピーディに冷凍するため、最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過することが可能です。食品の鮮度や品質を保ったまま冷凍でき、冷凍機の中でも多くの製品が開発されているので、生産規模や用途などによって機種を選ぶことができます。
食材を専用の袋に入れて包装紙、冷たい液体に漬けるだけで素早く冷凍できます。空気より熱伝導率が20倍大きい液体の特性を利用しています。簡単で誰でも作業できますが、ケーキや和菓子などの形が崩れやすいものの冷凍には向いておらず、大量生産にも対応できません。
温度の低い媒体の特性を利用し、超低温のガスを食品に直接吹き付けることで一気に凍結します。特徴的なのは、機器自体や空気を冷やすための冷媒や熱交換器などが必要なく、シンプルな構造であること。そのため故障も少なくお手入れも簡単です。ただし液化ガスを1回ごとに消費するため、ランニングコストが高くなります。
食品を冷却された金属板で挟むことで冷凍します。スピード凍結でドリップが少ないため、食品の品質維持ができます。また凍結と同時に成形を行える特徴があり、袋入り餃子の具材、冷凍パン入りのミンチ、すり身など、平板形状の製品に向いています。
急速冷凍やショックフリーザーなど、実は呼び方が違うだけで基本的な違いはありません。しかし、急速冷凍機の冷やし方によって機器が分類され、向いている食品やメリットが異なるため、冷やし方の違いに注目して比較してみましょう。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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問い合わせ先 |
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冷凍能力 | 6~400㎏/1時間 | 3~150㎏/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 14~560㎏/1時間 |
導入事例 | 21件 | 10件 | 4件 | 17件 | 16件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
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