急速冷却機(ブラストチラー)は、飲食店や給食施設などで調理したての高温の食品を短時間で冷却するための機器です。大量調理が行われる現場では、急速に安全な温度帯まで冷ますことで、細菌の繁殖を防ぎながら食材の品質を保つことができます。その結果、衛生上のリスクを軽減すると同時に、調理の効率化にもつながります。しかし導入コストが高額になるケースもあるため、費用を抑えたい方の中には「中古での購入」を検討する方もいるでしょう。今回は、ブラストチラーの基本的な機能や、中古品の選び方で気をつけたいポイントをわかりやすく解説していきます。
ブラストチラーは、調理後の熱々の食品を一気に冷却できる装置です。通常、料理を常温で冷ます場合、中心部が安全な温度帯に到達するまでに時間がかかり、その間に細菌が増殖しやすくなります。特に10℃から60℃程度の温度帯は細菌が活発になる領域と言われています。ブラストチラーは、この温度帯を短時間で素早く通過させることで食品を安全に保ち、風味や食感を損ねることなく保存できます。
急速冷却のメリットは、食中毒対策だけではありません。食品内の水分やうま味成分が極力失われないため、後から温め直しても初期の味わいに近い状態を再現しやすくなります。また、料理によっては計画的に大量に仕込んでおき、必要なタイミングで再加熱して提供することが可能になるため、作業の効率化にも大きく貢献します。
ブラストチラーとよく混同される機器として「ショックフリーザー」が挙げられます。ショックフリーザーは、ある程度粗熱が取れた状態の食品を急速に凍結する装置で、食品を-20℃前後まで凍らせるのが主な目的です。ブラストチラーとショックフリーザーは補完関係にあり、どちらも導入することで食品を安全かつおいしい状態で保ちながら、効率よく調理・保存を行うことが可能となります。
ブラストチラーは、モーターや冷却装置など多くの機械的部品から構成されています。新品と比べると、中古品はどうしても使用年数に伴う劣化や損傷があるため、故障のリスクは高めです。特に連続稼働するケースが多い設備ですので、購入前に稼働年数や整備履歴を確認することが大切です。また、現場で実際に電源を入れて運転できるのであれば、ファンの回転音や冷却速度などをチェックしておくと安心です。
中古品の場合、保証期間が短いまたは全く付かないケースも珍しくありません。さらに、メーカーが既に生産終了にしている旧型モデルだと、部品の在庫がなく修理対応に時間がかかることもあります。万が一トラブルが起きた際、部品が手に入らなかったり、修理サービスそのものが終了していたりすれば、機器を使い続けることが難しくなる可能性があります。購入を検討する際には、アフターサポートの有無や保証の内容をしっかり確認し、トラブル発生時にどの程度迅速に対処できるかを見極める必要があります。
中古のブラストチラーを扱う業者の中には、事前にしっかりオーバーホールを行い、部品交換やクリーニングを施してから販売しているところもあります。食品を扱う機器であるため、衛生管理には特に気を配りたいところです。内部の熱交換器やファン周りなどは汚れが溜まりやすいため、しっかりと清掃されているかどうかをチェックするとともに、主要パーツの点検履歴や交換状況も確認しましょう。機械本体の外観だけでなく、内部の状態も重視すると失敗を防げます。
新品のブラストチラーは導入コストが高額になりがちですが、中古品なら安価に手に入る可能性があります。ただし、故障リスクが高まることから修理費やメンテナンス費用が発生するかもしれません。短い期間で買い換える必要が出てくれば、結果的にコストがかさむこともあり得ます。導入目的や運用計画を明確にし、長期的なランニングコストと比較しながら、トータルで見るとどちらが得かを検討するのが賢明です。場合によっては新品のリース契約などの選択肢も視野に入れてみるとよいでしょう。
ブラストチラーはさまざまな容量・サイズが存在します。調理量や厨房のレイアウトに合った機種を選ばなければ、設置が難しかったり、十分な性能を活かせなかったりすることがあります。中古品を探す場合、狙い通りのサイズがすぐに見つかるとは限りません。事前に導入予定スペースの寸法を計測し、通路の幅や動線への影響も考慮した上で、設置が可能かどうかを確かめてください。大きすぎる機器だと厨房の動きが制限される恐れがあり、逆に小さい機器だと調理量を満たせない可能性があります。
中古のブラストチラーを購入する際は、どの業者から買うかがとても重要です。実績が豊富で、保証やメンテナンス体制がしっかりしている業者を選ぶことで、購入後のトラブルを避けやすくなります。業者のウェブサイトや口コミなどを参考にして、迅速な対応が可能かどうか、アフターサービスが充実しているかなどを事前に調べましょう。実機を確認できる店舗であれば、直接状態を見て判断するのもおすすめです。
中古のブラストチラーは、うまく選べば導入コストを抑えながらも安全で高品質な冷却機能を得られる可能性があります。一方で、元々の使用状況やメンテナンス履歴によっては故障のリスクが高まりやすく、思わぬ出費が発生することもあるため、慎重な検討が必要です。中古だからこそ見落としがちなポイントを押さえて、食品を扱う上で重要となる衛生面と機能面をしっかり確保し、現場に合った機種を探してみましょう。
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製品名 | 3Dフリーザー (KOGASUN(旧:古賀産業)) |
プロトン凍結 (菱豊フリーズシステムズ) |
トンネルフリーザー (タカハシガリレイ) |
リジョイスフリーザー (米田工機) |
凍眠 (テクニカン) |
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問い合わせ先 |
![]() 引用元HP:KOGASUN(旧:古賀産業) 公式 |
![]() 引用元HP:菱豊フリーズシステムズ 公式 |
![]() 引用元HP:タカハシガリレイ 公式 |
![]() 引用元HP:米田工機 公式 |
![]() 引用元HP:テクニカン 公式 |
冷凍能力 | 8~500㎏/1時間 | 3~300kg/1時間 | ※WEB上に情報なし | 1.5~100㎏/1時間 | 15~650kg/1時間 |
導入事例 | 41件 | 10件 | 17件 | 28件 | 22件 |
設立 | 1969年 | 1999年 | 1960年 | 1973年 | 1988年 |
事例ありの 冷凍可能な食材 |
魚・魚加工/肉・肉加工/菓子/惣菜/パン/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜 | 魚・魚加工/肉・肉加工/パン | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 | 魚・魚加工/肉・肉加工/惣菜/麺 |
選定基準:2024年11月12日時点Google検索で100位まで検索した急速冷凍機26社のうち導入事例が多いメーカー5社をピックアップしました。